特性

当社では、造粒機のタンク内を不活性ガス（窒素もしくはアルゴン）に置き換え、粒径をコントロールしながら比表面積は小さく、酸素量の少ない金属粉末を製造しています。
ディスクアトマイズ法　(遠心噴霧）で製造された粉末は、「緻密な組織」「酸化膜が薄い」「不純物が少ない」「流動性に優れている」などの特長があり、溶射材料、ターゲット材料、金属3Dプリンター用材料、ロウ材等として高い評価を得ています。
当社で取り扱っている非鉄金属は、アルミ、亜鉛、錫、銅、ビスマス、及びそれらとの合金（Si、Mg、Cu、Sn、Ti、Mn、Ni、Nd、Y、Ag、レアメタル、レアアース等）です。
純度については、99.999%(5N)の実績もあります。長年蓄積した技術を生かして、それぞれに適合した方法で溶解・粉末化しています。

溶射や金属３Dプリンターで粉末を使用する際、滞りなくそれを供給する為に、粉末の流動性は大きなポイントとなります。たとえば、金属３Dプリンターで粉末積層造形をする場合、流動性が悪いとベースプレートの上に粉体をうまく敷き詰められず、レーザーによる造形に不具合が出てしまいます。ヒカリ素材工業の金属粉末は球形度が高く真球に近いので、粒子形状が不規則な金属粉末に比べて数段に流動性が優れています。これは、ガスアトマイズ法や水アトマイズ法では得られない、ディスクアトマイズ法の利点です。

ヒカリ素材工業の金属粉末の大きな特徴の一つは含有酸素量が少ない事です。窒素などの不活性雰囲気でアトマイズするため、粉末表面 の酸化膜は極僅かとなります。アルミニウムの場合その酸化膜は不働態で殆ど成長しません。粉末の酸素量が少ない事により、溶射ではきれいで均一な塗膜が出来、金属３Dプリンター、焼結では成形物の内部欠損が無く高物性を実現、またターゲット材、触媒材料、防錆材等 他の分野においても粉末使用の目的を十分に果たしています。

お客様の要求される純度にて粉末製造を致します。通常は3N、4Nレベルの管理を行っています。5Nレベルの管理実績もあります。不純物についても要求されたスペック内に管理致します。ヒカリ素材工業では、原材料の受け入れから、精製、製造、梱包まで、全工程で徹底した品質管理を行い、各用途で要求される成分規格に合致した粉末を提供しています。

粉末にガスの巻き込みがあると焼結、3D造形などでは成形物に空洞が発生するなどの欠陥が生じ 、その物性に影響を及ぼします。ディスクアトマイズ法では、ガスを直接的に吹き付けるガスアトマイズ法に比べ、ガスの巻き込みがほとんど見られない金属粉末を製造することが可能です。